【GalNet翻訳】ハロルド・デュヴァル王子、暗殺される

デュヴァル王子、凶弾に斃れる(3306年9月14日 Galnet)

帝国のハロルド・デュヴァル王子がネオ・マーリニスト解放軍(Neo-Marlinist Liberation Army, NMLA)によって暗殺された。

これに対し帝国は報道規制を実施し、公式な見解等は発表されなかった。しかし、ヴォックス・ギャラクティカ紙に届けられた現地からのリポートによると、独立系ジャーナリストのグウェンドリン・ナッシュ氏はこう語る。

複数の筋からの証言によると、1名の刺客がハロルド王子の所有する移動手段に秘密裏に乗り込み、王子に対して至近距離から発砲。直後に警護官によって射殺されたとのこと。

NMLAはプロパガンダ放送の中で犯行声明をリリース。声明の中でNMLAは、デュヴァル一家は”帝国主義の寄生虫”であると言及し、この事件に関与している旨を発表した。またNMLAは同声明において、”すべてのマーリニストは立ち上がり、民主主義による共和国を要求するべきである”とも呼び掛けた。

ハロルド王子は、皇帝ヘンギストにより皇位継承権の序列から外されており、それ以来公共の場への表出は一切無かった。首都から出ることはめったにないが、娘であるアシュリン・デュヴァル姫へのお忍び慰問として、先日テロ攻撃を受けたCemiess星系に向け出発していたところだったという。

NMLAがどのようにしてハロルド王子の旅程を入手したか、またどのようにして王子の私船へ侵入したのかは未だ不明なままだ。

【解説】ハロルド・デュヴァル王子
ハロルド・デュヴァル王子(Prince Harold Duval)は帝国皇族の一員であり、皇帝ヘンギスト・デュヴァルの息子である。皇位継承権第一位であったが、3300年に皇帝によりその座を奪われる。3276年、妻イモージェン・ガブリエリーニとの間にアシュリン・デュヴァル姫をもうけるが、イモージェンはその後薬物乱用による動脈瘤でこの世を去ってしまった。
【解説】ネオ・マーリニスト解放軍
ネオ・マーリニスト解放軍(Neo-Marlinist Liberation Army、NMLA)は帝国内において過激思想であるとされる新マーリン主義(ネオ・マーリニズム、新マーリニズム、neo-marlinism)を信奉する過激派準軍事組織である。NMLAは皇帝一族を敵対視し、「世襲君主制による帝政ではなく、選挙によって選ばれた代議士による政治(=民主主義および共和制)」を目標に掲げ、そのためには帝国へのテロ攻撃も辞さないという姿勢を取っている。
注釈:neo-marlinismに対する訳「新マーリン主義」および「新マーリニズム」は筆者独自の日本語訳です。
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